フッ素とは、私たちの身近な自然界にある元素のひとつで、お茶や魚介類など多くの食品に含まれています。

フッ素は虫歯や予防に欠かせないだけでなく、丈夫な歯や骨をつくるために必要な役割を果たしています。

フッ素が虫歯予防となる作用は大きく分けて3つ!

一つ目は、歯の質を強くして、酸に溶けにくい歯にする、歯質強化!

二つ目は、歯から溶け出したカルシウムやリンの再沈着を促進する、再石灰化の促進!

三つ目は、虫歯菌の活動を抑え、酸が作られるのを抑制する、細菌の酸生産抑制です。

現在市販されているほとんどの歯磨き剤には、フッ素が添加されています。

日本では、フッ化物濃度が950ppm(1000ppm)の歯みがき粉が上限でしたが、

2017年3月に、薬用歯磨き剤におけるフッ化物の配合量を、上限1500ppmに引き上げる認可が厚生労働省にてされました。

これは、世界基準、ISO規格と同様の濃度になります。

これにより、これまで日本国内では手に入らなかった1000ppm~1500ppmの

高濃度フッ化物配合の歯みがき粉が、スーパーやドラックストア、歯科医院で購入できるようになりました。

では、1000ppmから1500ppmへフッ化物濃度が上がることにより、どんな虫歯予防効果が期待できるのでしょうか。

WHOのテクニカルレポートでは、1000ppm以上のフッ化物イオン濃度では、濃度が500ppm高くなるごとに、6%の虫歯予防効果の上昇がみられると述べられています。

また、米国国立疾病管理予防センターの報告では、「6歳以上のう蝕リスクの高い人にとって、1500ppmのフッ化物配合歯みがき粉は有益であろう」と述べられています。

さらに、スウェーデンのウメオ大学が行った研究によれば、

「1500ppm」のフッ化物配合歯みがき粉は、1000ppmのものに比べて、若年永久歯列にとって、9.7%う蝕予防効果が高いエビデンスが認められた」と報告しています。

この認可を受けて、各メーカーが、フッ化物の配合量が多い歯みがき粉を出しています。

まだ商品に対応できているものは少ないのですが、いくつかご紹介しますと、

シュミテクト デイリーケア+ 高濃度フッ素配合

チェックアップ スタンダード 1450ppm

クリニカアドバンテージ

バトラー エフペーストα

などがあるようです。

この流れに乗って、フッ化物の配合量の多い歯みがき粉が増えたら、

日本のカリエスフリーもますます高まるのはないかと、期待が持てますね!

ただし、注意点もあります!

高濃度のフッ化物配合歯みがき粉は、6歳未満への使用を控えるよう注意表記があります。

6歳未満の子供は、フッ素症の危険があるからです。

 

ちなみにフッ素症とは、フッ化物の過剰摂取により、歯に褐色の斑点や染みができる症状のことで、中等度の症例ではエナメル質に白い点や小さな孔ができたり、より重症な症例では茶色い染みができてしまいます。