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- 3/1(火) 6歳臼歯のはなし
6歳臼歯のはなし
6歳臼歯とは、乳歯の奥に生えてくる初めての永久歯です。
第一大臼歯といって、一般的には6歳前後に生えてくることが多いのでこのように呼ばれています。
真ん中から数えて、ちょうど6番目の歯でもありますね。
第一大臼歯は口の中では最も大きい歯で、歯冠の横幅(近遠心幅径)が10mm~11mmあります。
永久歯の中では一番小さい、下の前歯の永久歯(下顎中切歯)の歯冠の横幅(近遠心幅径)が5mmから6mmであることを考えると、
お口の中での1mmは、非常に大きい差なのです。
また、根っこ(歯根)の本数も、前歯は1本なのに対し、
下の6歳臼歯(下顎第一大臼歯)は2本、上の6歳臼歯(上顎第一大臼歯)は3本!
その大きな歯冠と複数の歯根でお口の中を支えている、いわばお口の中の大黒柱なのです!
かむ力も最も大きく、成人男性の噛みしめ時にかかる力(咬合力)は約60kgと言われています。
おおよそ自分自身の体重に匹敵する力ですね!
奥歯でしっかり嚙むことで顎の骨や顔の筋肉がよく動き、
身体の成長を促したり唾液がよく出て消化も助けます。
この歯が1本なくなると、咀嚼力が30%も落ちてしまうそうです。
また、歯並びやかみ合わせの基準となる歯で、
6歳臼歯の位置が基準となり、その後に生え変わる永久歯の位置が決まっていきます。
こんなに重要な歯なのですが、乳歯の奥にそっと生えてくるため、
そもそも生えていることに気づかなかった!なんてこともありますし、
歯が生え始めてからしばらくは手前の乳歯が高く、6歳臼歯が低いので
段差ができ(手前の乳歯と同じ高さまで伸びてくるまでは1年以上の長い時間がかかります。)、
さらに、かむ面(咬合面)が非常に複雑な形をしているため、歯ブラシが届きにくいのです。
おまけに、歯はすごく硬い完成した状態で生えてくるわけではありません。
唾液からカルシウムなどのミネラルを取り込むことで、少しずつ硬くなっていくのですが、
生えたての歯は表面のエナメル質の石灰化が未熟で、酸に対して抵抗力が低く、虫歯になりやすいのです。
なので生えてから一年のうちに、なんと50%の子どもが虫歯にかかってしまうとも言われています。
もしこの6歳臼歯が、虫歯で穴があいて噛みにくい、
痛くて噛めない、ということになってしまったらどうでしょうか?
うまく咀嚼ができないことで、消化不良を起こしたり、
満福中枢がうまく働かず大食いになったりして、
小児期メタボリックシンドロームのリスクが上がるとも言われています。
また、この歯の根っこの先(根尖)は10歳ごろまで完成していないので、
早期に歯の神経(歯髄)まで到達する虫歯になってしまうと予後が大変悪くなってしまいます。
では、6歳臼歯を守るにはどうしたらよいでしょう?
まずは毎日の歯磨きです。
生えてきてからしばらくは、手前の乳歯より背が低く、
歯肉がかぶっていて歯ブラシが当たりにくいので、
真横から歯ブラシを入れて、一本磨きが必要です。
ワンタフトブラシ等、ポイント磨きのブラシを使うのも効果的ですね。
お子さんの場合、本人だけでこの歯をきれいに磨くことは、かなり難しいです。
保護者の方の、仕上げ磨きが必要になります。
また定期的に歯科医院で検診を受け、磨き残しのチェックやクリーニングを受けましょう。
生えたばかりの歯は酸に弱いので、フッ素塗布やシーラントという予防処置も有効です。